にしろく・ふれ愛寄席@三ッ沢ハイタウン集会室

地域活動訪問レポート
地域活動訪問レポート

三ッ沢ハイタウンは、三ッ沢公園と横浜市立市民病院に隣接する高台にある、静かで落ち着いた雰囲気のマンションです。昭和47年に完成して以来、管理組合と自治会の皆さんの手により、今も美しく保たれています。
長く住まわれている方も多くいらっしゃる一方で、少しずつ世代交代も進んでいるそうです。中央にあるベンチで、子どもたちが仲良くおしゃべりしながら遊ぶ姿に、思わず心が和みました。
マンションは1号棟から5号棟まであり、全体で440世帯。敷地内にはクリニックや接骨院、大人用・子ども用のプールも備わっていて、暮らしやすさが感じられます。

11月2日の午後、集会室で開催された、三ッ沢ハイタウン福祉会主催、西区第六地区社会福祉協議会の協力による「にしろく・ふれ愛寄席」にお邪魔しました。
三ッ沢ハイタウン福祉会は、住民の高齢化に不安を感じた方々が、自治会や管理組合と協力して2016年に立ち上げた団体です。高齢者のさりげない見守りや、暮らしの支援を目的に活動されています。
当日は、ちょうどアメリカ大リーグの決勝戦の日。寄席が始まる前には、福祉会の皆さんと一緒にテレビに釘付け。通りがかった住民の方も「試合どうなった?」と気軽に声をかけてくださり、集会室には自然な会話と笑顔が広がっていました。

こんなプログラムが披露されました「本日の演目」
養老亭一膳さん 落語「二番煎じ」
大和家なでしこさん 落語「紙入れ」
越路なだれさん シャンソン歌唱

養老亭一膳さんは、マンションの住民でもあり、「桂歌助の弟子の会(アマチュア)」の一員として、西区街の名人・達人にも登録されています。にしとも広場や保土ヶ谷区で開催している「にこにこ出前寄席」の世話人や、西区第六地区子ども食堂のシェフとしてもご活躍中です。

大和家なでしこさんは、にしとも広場や地域施設等の寄席で活躍中の、着物を素敵に着こなすアマチュア落語家さんです。
越路なだれさんは、音楽に関わらず、地域で多彩なご活躍がとても魅力的な方です。

時間になると、集会室には約30名の住民の方々が集まりました。落語では、みんなで笑い合うことで、初めて参加された方も自然とリラックス。落語の解説もあり、場面を想像しながら楽しむことができました。
越路なだれさんのシャンソンでは、『サントワマミー』や『愛の賛歌』など、耳なじみのある曲が並び、みんなで口ずさみながら、会場は一体感に包まれました。
マンション内での寄席は、初めてでも気軽に、一人でも参加しやすいイベントだと実感しました。同じ空間で笑ったり歌ったりすることで、知らない方とも自然に距離が縮まります。

三ッ沢ハイタウンでは、自治会を中心にさまざまな活動が行われています。
集会室には貸出自由の「青空文庫」もあり、子どもたちの安心できる居場所になっています。
また、福祉会主催の「ボッチャ」は毎月開催され、隔月の「血圧サロン」もあります。
「血圧サロン」の活動の中で「買い物が大変なの…」という声を聴いた福祉会の皆さんは、多方面に働きかけて協力を集め、2018年から毎週金曜日にスーパーの移動販売が実現しました。お買い物とおしゃべりを通じて、さりげない見守りが広がり、コロナ禍でも大変助かったそうです。福祉会の皆さんは、重たい荷物をお部屋まで運ぶお手伝いもされているとのこと。
こうした細やかな支えが、暮らしの安心につながっているのだと実感しました。

イベントやサロン活動、移動販売など、住民の声を聴き、住民自身が行動する。その秘訣は、日々の暮らしの中で、さりげなく見守り合い、優しく声をかけられる雰囲気づくりにあるのかもしれません。寄席の場でもそれを感じました。初めての方にも優しく声をかけ、一緒に楽しむ空気が自然に生まれていました。ハイタウンの皆さんの優しさと、心地よい距離感がとても素敵でした。

「住み慣れたマンションで、自分らしく暮らし続けたい」
そんな想いを、住民同士が尊重し合い、無理なく、気負うことなく協力しながら実現している三ッ沢ハイタウン。ここには、暮らしの中に自然な笑顔とつながりが息づいています。
これからも、そんな温かな場に参加させていただきたいと思いました。
住民のみなさん、福祉会のみなさん、ありがとうございました。

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